過労自殺の労災認定をめぐる裁判が目立ち始める中、労働省(現厚生労働省)は平成11年9月14日、「心理的負荷による精神障害等にかかる業務上外の判断指針」を都道府県労働基準局(現都道府県労働局)や労働基準監督署に通達しました。 指針によると、業務上の疾病と扱うための要件は、精神障害を起こしていた、発病前の半年間に仕事によるストレス(心理的負荷)があった、仕事以外のストレスや個人的事情では精神障害を発病したとは認められない(精神障害やアルコール依存症の既往症がないなど)の3点です。 具体的な認定手続では、まず職場でのストレスの元となる出来事を出来事別にストレスの度合を評価します。さらにその出来事が誘因となって仕事量や責任が増したり、人間関係が変化した等問題が起きたかどうかを判断します。これらを総合評価し、結果が「ストレスが強い」と判断されれば労災と認定されます。 職場でのストレス評価(ストレス強度Vが最大です)がされる出来事は次のとおりです。 ストレス強度T 勤務体系の変化 仕事のペース、活動の変化 会社のOA化が進んだ 自分の昇進・昇格 部下が減った 部下が増えた 同僚とトラブルがあった 部下とトラブルがあった 顧客とトラブルがあった 理解者の異動 上司が変わった 昇進で先を越された 同僚の昇進・昇格 ストレス強度U 悲惨な事故や災害を体験 事故の責任を問われた ノルマ未達成 新規事業や再建担当になった 仕事内容・量の大きな変化 勤務・拘束時間の長時間化 出向した 左遷された 不利益扱いを受けた 転勤した 配置転換があった セクハラを受けた 上司とトラブルがあった ストレス強度V 大きな病気やけがをした 交通事故を起こした 労災発生に直接関与 重大な仕事のミスを起こした 退職を強要された
最近の労災事例では、勤務していた企業に対する損害賠償訴訟が同時進行することがほとんどです。損害賠償額は非常に大きく、中小企業であれば経営基盤を揺るがすことにもなりかねません。このようなことにならないよう、十分な配慮が必要です。